日本建築学会賞を受賞した、KPOキリンプラザ大阪が閉館し、跡地に計画されていた都市型商業ビルの名称が「ラズ心斎橋」に決定。
さらに、地上7階のうち1階から4階部分には、スウェーデンのアパレルメーカー、H&M（ヘネス・アンド・マウリッツ （Hennes & Mauritz）の入居が決まった。

5階から7階にはレストラン、カフェなどの飲食店が入居する予定で、食いだおれの街、大阪らしいオリジナリティ高い店舗の出店を計画されている。

2008年3月に発表された外観デザインは、道頓堀に面する南側中央部に巨大スクリーンが配置されたありきたりなものだったが、今回発表された完成予想パースではスクリーンが南面の4割程度、さらに西面部分にも回り込んで配置されるものに変更されている。
しかし、テナントには大阪らしいオリジナリティを追求するわりに、建物自体のインパクトは感じられない。
キリンプラザが計画された1980年代半ばは、まさにバブルに突入しようかという時代背景も手伝って当時の最先端の建築技術・意匠を反映した、いい意味でも悪い意味でも大阪を象徴する建物であった。
その跡地ということを差し引いてもファッショナブルな現代風ビルというかんじ。




(CC) Credit:chrisjohnbeckett オープン予定のH&Mは、東京の4店舗に続く関西初進出ブランドだが、報道されているような行列が戎橋にも再現される光景が映し出されるんだろう。

”ひっかけ橋”もきれいになり護岸整備もされ、難波からみた一番目立つ位置にカーテンウォールの商業ビルが建設中とは、大阪という街も個性の均等化の波に飲み込まれた気がする。
メディアなどでよく見る、「大阪といえば道頓堀や新世界の通天閣」という偏りも利用してきただろうに・・・
他府県の人から見れば、大型スクリーンこそ大阪らしいと思うのかもしれない。
動かないドンキの観覧車が大阪らしいと思うのかもしれないが、やはりコテコテで変だと思う人や、批判してくれる人もいないと面白い街にはならない。


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