中国・上海で進行中の3大安藤作品 ~アジアにシフトする大規模プロジェクト
2010年、中国・上海で安藤忠雄氏が携わる3大プロジェクトが進行中。
上海万博も開幕し、盛り上がる上海経済特区のベットタウンとして期待される嘉定区で、1月に起工式の行われた上海建築文化センターと、6月に着工予定の保利大劇院、そして安藤氏には珍しい高層建築「上海国際設計センター」を紹介。
敷地面積:56,082㎡
建築面積:270,309㎡
延床面積:150,090㎡(内劇場は32,000㎡)
規模:地上7階・地下1階(劇場)、地上6階・地下1階(商業施設)
地上40階・地下1階(ホテル)
着工:2010年6月 竣工:2013年予定
上海郊外の嘉定区に現在建設中のニュータウン(嘉定新城)のシンボルとなる文化コンプレックス。
オペラハウスのほかにホテルや商業施設を備える。
外観は100m×100メ-トルの正方形、高さ30メートルの矩形に直径18メートルの円筒状のヴォイド空間を様々な角度から挿入し、三次元的な空間要素を建築構成の骨格としている。
大阪での中之島プロジェクト2の地層空間・アーバンエッグ(アンビルド)や、卵形の空間を作り出した渋谷駅を思い起こさせる安藤氏の設計コンセプトとして定番のもの。
この円筒はエントランスなどの動線だけでなく、休憩所や広場、そして景色を取り込む”窓”の役割を果たし、矩形と円筒の組み合わせの単純な幾何学的な空間に、風・水・光など、様々な要素が姿をあらわす万華鏡のような豊かな建築空間を演出する。
敷地面積:9,127㎡
延床面積:47,055㎡
建築面積:35,000㎡
着工:2006年10月
中国で安藤忠雄氏が手がける初のプロジェクト。安藤氏にはめずらしい高さ99メートルの高層ビルディングと低層棟で構成され、2棟を連結するような”ブリッジ”が高層棟を囲みこむ。低層棟同士も連結されており、全ての建物が一つの連なりとなる。
高層棟は既存の安藤建築を垂直方向に90度起き上がらせたようなデザイン。
レム・コールハース(OMA)のCCTVをおとなしくした感じで、そういえばCCTVと同じく昨年、火事があった。
建物は2つの直方体がならび、その間から農村の美しい景色や現地に流れる1本の小川が切り取られるように配置されている。
日本国内と同じく、コンクリート打ち放しの建物には賛否あるが、建物と周囲の景観が一体となるような建築というのは、中国でもかなり先進的なデザインと感じられており、見た目には人工的な建築物との対比もあいまって、すんなり評価されそうだ。
専門家の方なら、あれが盗用であると思う人はいないはず。
安藤氏自身も中国誌のインタビューで
「セビリアの日本館は木で作られており、日本の文化や職人の精神を体現するものとして典型的な形式を選択した」(設計の意図やスケールからして全く別物)
「全てのものに似ている部分はある。建築はすべて造形物なので仕方がない。」
と述べている。
そのほか中国国内では北京国士監のホテル(Beijing Guozijian Hotel)&美術館、海南省海南島の半山半島プロジェクトのホテル&ミュージアムホールなどのプロジェクトも進行中と、安藤氏の名が中国全土(都市部のみ)に広がるのも時間の問題のようだ。
大規模プロジェクトが難しい状況の日本から、アラブ諸国や他の東アジア諸国へとシフトチェンジしつつある安藤忠雄氏だが、アラブ諸国での計画が不透明な中、中国でも空売りが開始されるなど「上海経済特区自体がバブルだった」という事態が起こるかもしれないなかで、一つでも多くのプロジェクトが速やかに完工することを願いたい。
上海万博も開幕し、盛り上がる上海経済特区のベットタウンとして期待される嘉定区で、1月に起工式の行われた上海建築文化センターと、6月に着工予定の保利大劇院、そして安藤氏には珍しい高層建築「上海国際設計センター」を紹介。
保利大劇院 - 水景劇場 Shanghai Opera House
中華人民共和国上海市嘉定区敷地面積:56,082㎡
建築面積:270,309㎡
延床面積:150,090㎡(内劇場は32,000㎡)
規模:地上7階・地下1階(劇場)、地上6階・地下1階(商業施設)
地上40階・地下1階(ホテル)
着工:2010年6月 竣工:2013年予定
上海郊外の嘉定区に現在建設中のニュータウン(嘉定新城)のシンボルとなる文化コンプレックス。
オペラハウスのほかにホテルや商業施設を備える。
外観は100m×100メ-トルの正方形、高さ30メートルの矩形に直径18メートルの円筒状のヴォイド空間を様々な角度から挿入し、三次元的な空間要素を建築構成の骨格としている。
大阪での中之島プロジェクト2の地層空間・アーバンエッグ(アンビルド)や、卵形の空間を作り出した渋谷駅を思い起こさせる安藤氏の設計コンセプトとして定番のもの。
この円筒はエントランスなどの動線だけでなく、休憩所や広場、そして景色を取り込む”窓”の役割を果たし、矩形と円筒の組み合わせの単純な幾何学的な空間に、風・水・光など、様々な要素が姿をあらわす万華鏡のような豊かな建築空間を演出する。
上海国際デザインセンター-上海国際設計中心 Shanghai International Design Center,China
中華人民共和国上海市国康路100号(近中山北二路)敷地面積:9,127㎡
延床面積:47,055㎡
建築面積:35,000㎡
着工:2006年10月
中国で安藤忠雄氏が手がける初のプロジェクト。安藤氏にはめずらしい高さ99メートルの高層ビルディングと低層棟で構成され、2棟を連結するような”ブリッジ”が高層棟を囲みこむ。低層棟同士も連結されており、全ての建物が一つの連なりとなる。
高層棟は既存の安藤建築を垂直方向に90度起き上がらせたようなデザイン。
レム・コールハース(OMA)のCCTVをおとなしくした感じで、そういえばCCTVと同じく昨年、火事があった。
上海建築文化センター(上海建筑文化中心)
周囲をぶどう農園に囲まれた自然豊かな土地に、ギャラリーや図書館、学術研究所などが併設する文化センターが計画されている。建物は2つの直方体がならび、その間から農村の美しい景色や現地に流れる1本の小川が切り取られるように配置されている。
日本国内と同じく、コンクリート打ち放しの建物には賛否あるが、建物と周囲の景観が一体となるような建築というのは、中国でもかなり先進的なデザインと感じられており、見た目には人工的な建築物との対比もあいまって、すんなり評価されそうだ。
アジア各国に広がる安藤忠雄氏の大規模プロジェクトと盗作騒動
上海万博中国館の盗作問題でなにかと話題だが、中国国内を発端とした批判であることを考えると、これらの安藤作品などにより、彼の名前が一般にも知れ渡るようになったことが大きな原因だろう。専門家の方なら、あれが盗用であると思う人はいないはず。
安藤氏自身も中国誌のインタビューで
「セビリアの日本館は木で作られており、日本の文化や職人の精神を体現するものとして典型的な形式を選択した」(設計の意図やスケールからして全く別物)
「全てのものに似ている部分はある。建築はすべて造形物なので仕方がない。」
と述べている。
そのほか中国国内では北京国士監のホテル(Beijing Guozijian Hotel)&美術館、海南省海南島の半山半島プロジェクトのホテル&ミュージアムホールなどのプロジェクトも進行中と、安藤氏の名が中国全土(都市部のみ)に広がるのも時間の問題のようだ。
大規模プロジェクトが難しい状況の日本から、アラブ諸国や他の東アジア諸国へとシフトチェンジしつつある安藤忠雄氏だが、アラブ諸国での計画が不透明な中、中国でも空売りが開始されるなど「上海経済特区自体がバブルだった」という事態が起こるかもしれないなかで、一つでも多くのプロジェクトが速やかに完工することを願いたい。
中国で進行中のその他のプロジェクト
北京国子監ホテル/北京大都美術館/北京 (2013年竣工)
上海保利大劇場/上海
北京紅楼夢ホテル/北京 懐柔区
良渚村文化芸術センター/杭州
元美術館/北京