UR千里青山台団地
UR Senri Aoyamadai Danchi
千里丘陵の北東、97haの高台に建つ74棟の集合住宅。
「三色彩道」、「合歓の木道」に面した風光明媚な立地でありながら、阪急北千里線の始発駅「北千里駅」の徒歩圏にあり千里ニュータウンの中でも人気の団地。
緑豊かな丘陵地に74棟の団地が立ち並ぶ。
青山台団地最大の特徴は、高低差40メートルに達する傾斜地をそのまま活かした特殊な敷地と豊かな緑にある。
高原のような団地内はメタセコイアをはじめ様々な木々が生い茂る「雑木の森」と化していて、それぞれの棟が自然公園の中にポツポツと設置されたモニュメントのよう。
また、車と歩行者の動線が完全に分けられていて、部屋を出るとすぐに公園内の遊歩道にアクセスするような豊かな住環境が構築されている。
団地内でも勾配のきつい箇所にはポイントハウスと呼ばれるボックス型の団地が配置されている。
木々に覆われるように建つポイントハウス。
風にそよぐ草木のざわめきや小鳥のさえずりが心地よい。歩車分離が徹底されている団地内では街中の雑踏はほとんど聞こえない。
斜面に建てられた棟には高低差解消のためピロティが設けられており、駐輪場、メールボックス等に活用されている。
横幅の広い標準的な住棟の1階部分にピロティを設けたことで、団地内の動線を確保し視線の抜けもできる。
ピロティ部分。
日本初の大規模ニュータウンとして1960年から開発の始まった千里ニュータウンは60年の時を経て住民の高齢化や建物の老朽化が進み、建て替えなど再開発を選択する団地が増加している。
その中で青山台団地は無印良品とのリノベーションや建築家伊東豊雄氏とURがコラボした「みんなの庭プロジェクト」など新た試みを積極的に取り入れ、団地のコミュニティー活性化を図っている。
無印良品によるリノベーション住戸はレトロな団地の雰囲気はそのままに最新の設備が導入されている。
家具を配置するのが楽しくなる白いキャンバスのような部屋は人気が高い。
家具を配置するのが楽しくなる白いキャンバスのような部屋は人気が高い。
いくら魅力的な住環境が整っていてもそこに住まう人々が居なくなってしまえば意味がない。
住民同士のつながりを促し、若年世帯を筆頭に新たな住民を獲得することにより、豊かな環境に建てられた建築がいつか訪れる寿命までその役割を全うすることを期待したい。
主な間取り
団地配置図
PAGE INFO
公開日: 2021/8/21
撮影: 2021/5
作成者: Hiromitsu Morimoto