環境と共生した有機的建築(オーガニックアーキテクチャー)
前を通った人は必ず見上げてしまうであろう、奇抜なデザインなオーガニックビル。フランク・ロイド・ライトは建物全体が関連したデザインに統一され、一つの生命体のように機能を持ち自然と一体化するという理念で有機的建築(Organic Architecture)を提唱したが、オーガニックビルは「テラコッタ風」外壁・「コンピュータ制御の給水システムで管理される132個の植栽」と無理に環境と調和させているようにも感じてしまった。
例えばフランク・ロイド・ライトの代表的な作品、落水荘は森の中の滝を建築物の一部にしていることがすばらしいが、オーガニックビルは都心のど真ん中にあるので、植栽で覆ってしまい熱反射を和らげたりすることのほうが面白いのかもしれない。 しかし132個の植栽は全て違う種類のものが植えられており、西に面しているにもかかわらず元気に育っているのは見事だし、都市部には既に自然と呼べるものは無く、悪条件下では調和ではなく抵抗に映ってしまうのも仕方ないところ。
オーガニックビルディング 建築データ
所在地
大阪市中央区南船場4-7-21
竣工
1993年2月
設計
ガエタノ・ペッシェ
施工
コーナン建設
面積
建築面積:675.79㎡
延床面積:7,052.86㎡
延床面積:7,052.86㎡
規模/構造
地下1階 地上9階 塔屋1階/SRC造