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EXPO2025 Better Co-Being-宮田裕章/SANAA

Better Co-Being - Hiroaki Miyata/SANAA
Better Co-Being 2024 - SANAA EXPO2025
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万博会場の中心にある「静けさの森」の一角にある壁も天井もないパビリオン。
宮田裕章氏(慶応義塾大学教授)が"いのちを響き合わせる"をテーマにプロデュース。
「Better Co-being」とは、一人ひとりの多様な豊かさと未来への持続可能性の間で調和を取りながら歩み、共に考えるものの見方を言い、15名ほどの来場者とともにアートを軸とした体験を通してその理念を知覚する。

建築設計は妹島和世氏と西沢立衛氏の建築ユニットSANAAが担当した。

建築はグリット状のキャノピーが四層に重なり合い、地上部はそれを支える細い柱のみ。
高さ11メートルほどのキャノピーは雲のように浮かび、周囲の森に溶けあうように佇んでいる。

森の中に突如として現れるポリゴンの雲のような構造物。

壁や天井のない雲の下を進むと、盛土により起伏した小高い丘を上りクネクネ道を下りと、やはり森の中を散策しているような感覚になる。
立体格子状のキャノピーはアートを軸とした体験を行う舞台装置としての役割を果たす。

Check-In: エントランス
Sequence01: 塩田千春「言葉の丘」
Sequence02: 宮島達男「Counter Voice Network - Expo 2025」
Sequence03: 宮田裕章 with EiM 「最大多様の最大幸福」、宮田裕章「共鳴の空」
Epilogue: エピローグ

「Better Co-being」は広さ約2.3ha、大阪府内の公園から移植された1500本を超える樹木が立ち並ぶ森の中に在る。
まだまだ若木も多い周囲の森がこのまま大きく育ち、敷地内の木々がキャノピーの間から幹を伸ばし、格子状の影と木漏れ日が融合するような光景が実現したときに、遂に森と建築の間に境界線がなくなるのではないだろうか。
この森も建築も万博閉幕後にどうなるのかは分からないが、そんな未来が訪れることを期待したい。

1970年大阪万博の立体トラスの大屋根(丹下健三)を思い起こさせるが、屋根はなく雨と風と光と空を透過する。キャノピー越しに見上げた空に木々の影ができればどんなに心地よいだろう。
PAGE INFO
公開日: 2025/4/27 撮影: 2025/4

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