ミニマル建築と和の融合
無駄を省いた最小限のデザインの中で、四季を取り入れる日本庭園と茶室のようなつながりを感じることが出来る作品を多く手がける。「白」の空間に間接照明やトップライトからの緩やかな光があたり、陰影との対比を引き立たせるあたりは感動してしまうような演出だ。
彼の作品の平面図を見てもその緻密さは理解しにくく、代表作「白翳の家」の1枚の壁と3つの直方体によって構成される軸線空間の構成の面白さは、彼の断面から考える設計ゆえ実現されるものだろう。
個人住宅を多く手がける建築家で、「生活の豊かさを何に求めるかもう一度見つめなおす」という点からの住まいの考えを提案されているが、ここまで印象的な白い外壁の居を構えるのは勇気がいる。中庭や植栽、立体的なテラスなど、内の使い方や環境の取り込み方が見事なだけに、狭小住宅などが今後増えれば面白い。
略歴/受賞歴
1951年
福岡県生まれ
1982年
坂本昭・設計工房CASA設立
2001年
日本建築学会作品選奨受賞 [白翳の家]
2003年
日本建築学会作品選奨受賞 [白いアトリエ]
主な作品
1996年
白翳の家 [大阪府箕面市]
2000年
2004年
2005年
苦楽園の家 [兵庫県西宮市]
2007年
勝山の家 [岡山県勝山町]