スペースブロックの手法とフレキシブルな空間
CAt(シーラカンス)の建築家・小嶋一浩はキューブを用いた3次元設計「スペースブロック」という新たな概念を確立した。空間に対しても「黒と白」という独特の考えを持ち、動線やLDK、水周りなどの動かせない部分を「黒」、使われ方により呼び方の変わるフレキシブルな空間を「白」と位置づけ、通常7~8割を占める「黒」部分を半分程度に抑える作品が面白い。
中でもスペースブロック上新庄(ほとんどの住戸がワンルーム)では廊下や寝室などの区切りはほとんど無く、「白」の空間を主体に水周りなどの「黒」を配置することにより狭小集合住宅とは思えない内部空間の広がりを実現した。
シーラカンスを共同設立した伊藤恭行や宇野享、赤松佳珠子らとともに最近では海外での作品も手がけ、活躍の場を広げている。
略歴/受賞歴
1958年
大阪生まれ
1986年
シーラカンス(現CAt)を共同設立
1997年
日本建築学会賞(作品賞)受賞 [打瀬小学校]
2013年
村野藤吾賞受賞 [宇土小学校]
2016年
10月13日 永眠
主な作品
1991年
1999年
ビッグハート出雲 [島根県出雲市]
2003年
スペースブロック・ハノイモデル [ベトナム/ハノイ]
2006年
千葉市立打瀬小学校 [千葉県千葉市]
2007年
中央アジア大学ナリンキャンパス [キルギス/ナリン]
2011年
宇土市立宇土小学校 [熊本県宇土市]